ストレスでお悩みの方

慢性的にストレスが溜まると危険!?

ストレス社会と言われる現代、企業へのストレスチェック制度の導入を行うなど、国としても積極的にメンタルへルス対策を行っています。
ストレスが長期に及ぶとさまざまな症状が身体に現れますので、仕事や日常生活に悪影響が出てくる可能性があります。さらに、ストレスは大きな病気の誘引や発病にもつながります。

そもそもストレスとは・ストレスの仕組み

ストレッサー(肉体的・精神的負荷)がかかるときの様子

ストレスとは負荷のかかった状態のことを言います。ストレッサー(肉体的・精神的負荷)がかかると、人の状態は下の図のように傾いてしまい、不安定な状態になります。

人にとって過度なストレスは心や身体に悪い影響を与えます。身体には疲労として蓄積されたり、心は緊張した状態になったりします。

自律神経とストレスからくる症状の関係

ストレスと自律神経の関係

そもそも神経とは、体内において、各組織と脳をつなぐ役割を担っています。
体内では神経がネットワークとなり、神経を通してあらゆる司令や情報が行き来することで、体を正常に保っています。
神経は脳や脊髄にある「中枢神経」と全身にある「末梢神経」に分けられ、さらに「末梢神経」は、「体性神経」と「自律神経」に分けられます。
体性神経は、運動機能などに関わっており、「手や足を動かそう」という意図をコントロールできます。一方、自律神経は、胃腸、心臓、肺、肝臓、血管など多くの内臓器官の機能に関わっており、「胃を動かそう」と思っても、自由にコントロールできません。
自律神経は、交感神経と副交感神経に分けられ、バランスをとりながら、働いています。自律神経のバランスが乱れると身体の不調があらわれてしまうのです。

自律神経のバランスを乱す主な要因

自律神経のバランスの乱れは、ストレスや不規則な生活習慣、心身の疾患などが引き起こすといわれています。

●ストレスと分泌ホルモン

ストレスを感じると、脳からの指令により副腎皮質から副腎皮質ホルモンが分泌され、同時に副腎皮質の中ではアドレナリンが分泌されます。これらのホルモンには、血糖値上昇や血圧上昇、免疫抑制、胃酸分泌促進、覚醒などを引き起こす作用があり、交感神経を優位になるため、副交感神経とのバランスを崩し、心身の不調を起こしやすくしてしまうのです。
ストレスの感じ方は個人差がありますので、なるべくリラックスできるように心がけて生活することが大切です。

●不規則な生活習慣や過度なダイエット

規則正しい生活のリズムや栄養バランスの良い食生活が自律神経のバランスを保ちます。昼夜逆転の生活や急激なダイエットなどがきっかけとなり、自律神経のバランスを崩しやすくなりますので、日頃から規則的な生活を送ることが大切です。

●心身の疾患・ホルモンバランス

過剰な精神的・身体的ストレスが心身の疾患の原因となり、大きく自律神経を乱してしまう原因となります。
特に女性の場合、更年期障害は自律神経が乱れてしまう疾患です。症状としては、肩こり、腰痛、めまいや頭痛、突然のほてりやのぼせなどがみられます。
自律神経のバランスを整えて、充実した生活をおくるためにも、ストレス解消を心がけ、生活習慣を見直すことが大切です。

もし、ご自身でストレス解消が上手くできず、身体の不調がみられる場合は、お早めに精神科・心療内科へ受診することをお勧めします。
当院では、自律神経のバランスを分析するストレス測定も行っていますので、お気軽にご相談ください。

ストレスの4つの種類

きっかけとなった原因によって、様々なストレスが存在します。
主に下記にあげるようなストレスを抱えている方が多いと思われます。

ストレスの種類別の症状や対策についてご紹介いたします。

職場ストレス

職場でのストレスが長期に及ぶと精神的にも身体的にもさまざまな症状が出てきます。特に睡眠に関する障害が現れやすく、仕事にも悪影響が出てくる可能性があります。職場で強いストレスを感じている人は、約6割と言われています。つまり、働く人の半数以上がうつ病(鬱病)になる可能性を持っているということになります。

女性ストレス

女性の場合は、ホルモンの変動により気分の変調や体調の不調が見られます。ストレスがうまく解消されないと自律神経のバランスが崩れてきます。すると、疲れ目、食欲不振、頭痛、めまい、吐き気、微熱が続く、多汗、のぼせ、皮膚のかゆみ、喉の違和感、動悸・息切れ、腹痛、下痢、腰痛、肩こり、手足のしびれなどが見られます。また、生理不順や無月経になってあらわれることも多いようです。

老年性ストレス

老年性ストレスは、高齢者のライフイベントと慢性的なストレスが特徴的です。定年退職、配偶者や兄弟との死別、家族の病気や介護といった心身の負担になるライフイベントの機会が増えます。
また、健康の減退、感覚喪失、認知機能の低下、行動力の低下や居住環境の問題、経済的な問題、社会的孤立などが挙げられ、身体の不調と環境から影響を受け、ストレスと感じられることが目立ちます。

受験期のストレス

受験生がストレスが溜まりやすい状態です。
いくら勉強しても成績が伸びない、朝起きられない、遅刻や欠席が増える、怒りっぽくなる、友人や親との関係がうまくいかないなどの症状がある時は、要注意です。ストレスからうつ病を発症する可能性もありますので、異変に家族がいち早く気付いてあげることが大切になってきます。

人間関係のストレス

ストレスの原因で多くあげられるのが「人間関係」です。
良好な人間関係が築けていれば、人生は明るく楽しいものに感じられます。
しかし、人間関係がうまく築けないと、学校や職場、家庭など、さまざまなトラブルに見舞われることもあります。胃痛や食欲不振、睡眠の変化など身体にも不調があらわれやすいので、人間関係でお悩みの場合は、まずは信頼のおける人に相談してみることが大切です。

一般的なストレスの症状一覧

ストレスが原因で、さまざまな心理的・行動的・身体的反応を引き起こします。
ストレスから自律神経の乱れを引き起こし免疫力や抵抗力を低下させてしまうと考えられています。すると、体調を崩してしまい、体のあらゆる部分に不調がみられるのです。

ストレスの初期症状例一覧

ストレスの初期症状としては、下記のような症状がみられます。

  • 胃がもたれる
  • 頭が重い
  • 目が疲れる
  • 肩こりがある
  • 背中や腰が痛い
  • 朝すっきりと起きれない
  • 立ちくらみがある
  • 夢をよく見る
  • 風邪が長引く、微熱が続く
  • 顔や体に湿疹が頻繁にみられる

慢性的なストレス症状例一覧

さらに、ストレス状態が慢性化すると、下記のような症状が見られます。

  • 疲れやすい
  • 抑うつ気分が続いている
  • 食欲不振や過食・拒食
  • 興味や喜びを感じなくなっている
  • 眠れない、または眠すぎてしまう
  • 考えて決断できない
  • 罪悪感をいつも感じている
  • 集中力がない
  • 気持ちが焦り、イライラしやすい
  • 自殺を考えることがある

慢性化の症状が複数みられる場合は、うつ病を発症していることもありますので、精神科や心療内科での受診をお勧めします。

ストレスの蓄積で起きる病気

ストレスは知らないうちに溜まっているように感じることもあるかもしれません。
しかし、仕事や家事で普段はしないようなミスをしたり、不安や憂うつに思う日々が続いたりし、頭痛や胃痛を感じたときは何らかのストレスが関係していると考えられることもあります。ストレスは気分などの精神面だけではなく、身体面にも現れることがあります。
ストレスの蓄積で起きる主な病気は次のようなものがあります。

① 急性胃腸炎

原因はストレスも考えられています。
急性胃腸炎の症状は、急な腹痛、激しい下痢や嘔吐、発熱などが主な症状としてあげられます。胃酸が過剰分泌し、胃の免疫力が低下することがあり、ウィルス感染などもしやすい状態です。ウィルスや細菌に感染した場合は、感染性胃腸炎と診断されることもあります。胃腸炎の症状が出ている場合は、早めに内科や消化器科などを受診しましょう。

② 蕁麻疹

蕁麻疹は、アレルギーから発症するイメージがありますが、ストレスも大きく関係しています。自律神経やホルモンが乱れる影響で蕁麻疹が出ることがあります。
ストレス以外で出現する蕁麻疹であれば原因が明確なため、その原因に対する適切な対処を行なうことで短時間や短期間で回復できることがあります。しかし、ストレスが原因となる場合は、リラックスしている時間帯にひどく出てきたり、かゆみや痛みを伴ったりすることがあります。また、ストレスが原因の場合は繰り返し現れることが多いといわれています。蕁麻疹は皮膚科を受診することが多いですが、総合的な治療を考えている場合は、精神科や心療内科を受診が必要になることがあります。

③ うつ病/鬱

ストレス社会の現代では、うつ病は身近な病気といえます。
うつ病は、過度なストレスを感じることにより、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れた状態です。脳の認知や意欲、判断に関係する領域が機能低下することにより、不安や恐怖、悲しみなど情動に関わる部分が過剰活動してしまう病気です。
そのため、思考力・判断力の低下や興味・関心の減退、憂うつ・焦燥・感情失禁というような症状が出現します。また身体面においても、頭痛やめまいなど引き起こす場合があるので、精神面と身体面の不調がおよそ2週間以上続くようであれば、精神科や心療内科を受診しましょう。
当院では、一人一人の症状に合わせて適切なうつ病の治療を行っています。
うつ病か不安な方はまずは初診にいらしてお話をお聞かせください。

④ 自律神経失調症

自律神経とストレスは密接な関係があります。
ストレスを感じ、自律神経が乱れるとさまざまな不調が現れます。頭痛や不眠、疲労感、不安感、意欲の低下などが出現します。自律神経失調症は、内科などで検査をしても特に異常が見つからないというケースも特徴の1つです。
その場合は、自律神経失調症の可能性が高いため、精神科や心療内科を受診しましょう。
当院では、一人一人の症状に合わせて適切なうつ病の治療を行っています。
うつ病か不安な方はまずは初診にいらしてお話をお聞かせください。

⑤ 突発性難聴

ストレスを感じている時に、突発性難聴は発症しやすいと考えられています。
しかし、現在もはっきりとした原因は分かっていませんが、ストレスと何らかの因果関係があると考えられています。
突発性難聴の主な特徴は、突然、耳の聞こえが悪くなり、耳鳴りやめまいなどを伴うことがあります。ストレスの他に過労、睡眠不足、糖尿病などがあると起こりやすいともいわれています。40~60歳代の働き盛りに多くみられ、治療をすぐに行なわないと聴力を失う可能性が高いので、突発性難聴の疑いがある場合は、すぐに耳鼻咽喉科などで治療を開始することが重要です。

⑥ 適応障害

主にストレスによって、気分の落ち込み、意欲低下、不眠等の睡眠障害などの身体症状が出ている疾患の一つです。
ストレスの原因は、家事や子育て、仕事や学業などが多くあげられますが、ストレスの許容範囲が自分では解決できないぐらいに超えストレスに満ちた状況に長く置かれると様々な症状が出てくると言われています。
身体症状などはうつ病に似ていますがうつ病と違う点は、ストレス要因が消失すれば症状が軽減することがわかっています。

ストレスと関連する主な障害について

ストレスに関係している可能性の高い障害として、適応障害発達障害パーソナリティー障害パニック障害PTSD(心的外傷性ストレス障害)身体表現障害PMDD(月経前不快気分障害)・PMS強迫性障害などがあげられます。
それぞれの障害は、ストレスが関係しているといわれ、ストレスを軽減させることで、症状が改善することがあります。
症状がよくならないと感じている方は、ストレスの状態を精神科や心療内科で確認してみるのも一つです。
ストレスからうつ病に発展するケースも多くありますので、そうなる前に早めに受診しましょう。

高ストレス症状とうつ病との関係について

ストレスの自覚症状が高い人や、自覚症状が一定程度あり、ストレスの原因が日常的で解決しづらく周囲のサポートの状況が著しく乏しい人のことを表します。会社で行うストレスチェックで高ストレスと判定された方もいらっしゃると思います。
下記のような症状が2週間以上続いている場合は、うつ病のきっかけになりやすいので、早めにストレスを軽減させることが大切です。

高ストレス症状例一覧

うまく制御ができなかった場合には
不適応を起こし身心に様々な影響が現れます

特に心理的・社会的ストレスが大きいとされています

高ストレス状態

  • 不安
  • 落ち込み
  • 過食
  • やる気が出ない
  • 不眠
  • 集中低下
  • 忘れっぽい
  • マイナス思考
  • イライラ
  • 体調不良

特に、ストレスを抱えていても身近な人に相談できない方は要注意です。誰にも相談できない方は、お早めに精神科・心療内科へ受診することをお勧めします。
当院では、会社のストレスチェックで高ストレスと判断された方の面談も多数の企業から受け入れております。ストレスのことでお悩みでしたら、ぜひ当院へお気軽にご相談にお越しください。

ストレスを軽減・緩和するために

現代は“ストレス社会”といわれるように、心身に不調をきたす人も多くなってきています。
ストレスは生きてく上で避けることはできず、うまく対応することによって成長し続けることもできます。現代は、人生のスパイスであるストレスを自分自身でコントロールすることが求められています。
しかし、ストレスを溜め込んでしまい、うまく解消できないこともあると思います。
うまく解消できない場合は、ストレスを増幅させ、心身に異常が発生してしまうこともあります。そのストレスに対して緩和させる様々な対応をご紹介します。

リラクゼーション

ストレス解消法の1つとして挙げられるのは、「リラクゼーション」です。マッサージやアロマセラピーなどが代表的です。マッサージやアロマセラピーは、心身を癒すことを目的とします。ヨガも呼吸法からストレス緩和へ繋げることが可能です。
また、音楽を聞いたり歌ったりすることも、ストレス過多の症状を緩和することがあります。スッキリした気持ちで心身のバランスが取れるようになったりします。

自律訓練法

自律神経のバランスをとるトレーニング方法です。
ストレスは自律神経の乱れの原因にもなり、自律神経が乱れると身体面・精神面にさまざまな影響が現れます。
自律訓練法によるセルフ・コントロールを行なうと、過剰な緊張や不安、不眠などに効果がみられ、心身の負担を取り除くことが可能です。

外で気分転換をする

無理のない範囲で、散歩、ショッピング、スポーツなど日常生活とは違う行動をしてみると心身のリフレッシュにもなります。
また屋外で日光や風などの自然にふれることでより一層の気分転換になると思います。

精神科や心療内科でのカウンセリング

ストレスを1人で解決できない場合は、精神科・心療内科にてカウンセリングを受けることもストレス緩和に繋がります。問題を1人で抱え込んで解決するには、かなりの時間と労力を使います。そのため、うつ病などの精神疾患を発症しやすい状態になります。
ストレス社会の現代は、精神面のケアを医療機関でしっかり行なうことも重要です。
昔よりも精神科や心療内科に行く人も増えてきていますので、病院以外にも気軽に相談できるクリニックなどもおすすめです。

ストレスは、自然から受けるものは良いストレスや心身を癒す大きな存在にもなりますが、人と人が作ったものから受けるストレスは、個々の価値観の違いなどでストレスが深刻化してしまうこともあります。しかし、だからこそ心身のバランスを整えることは重要ともいえます。近年、技術革新は私たちの生活を豊かにしてくれています。IT化の急速な進展になじめない人たちも多くいます。そんな時代だからこそ、リラクゼーションや自律訓練法、精神科や心療内科でのカウンセリングなどを活用し、ストレスを自分自身でコントロールしていくことが重要であるといえます。

ストレス測定でストレス状態をチェックしてみよう

当院ではストレス測定機器を使用した、ストレス測定を行っています。

センサーを指先にセットして、自律神経バランスを分析することで、ストレス状態が分かる検査です。

ストレス測定機器を使用したストレス測定

自律神経バランスが乱れたり、抹消神経の活動が弱くなったりすると、体調不良、基礎代謝の低下などの原因につながります。さらにストレスを溜め込むと、うつ病のリスクも高まります。だからこそ、自身のストレス状態を早めに知り、生活習慣や環境の改善をすることが大切です。

薬に頼らない、新たなストレス治療とは

当院は、ストレスを軽減することができる磁気刺激治療(TMS)を行っています。頭に磁気をあて、脳の動きを活性化することでストレス状態を軽減できる新たな治療方法です。リラックスした状態で受けられる治療ですので、お気軽にご相談ください。

ストレスで起こる病気についてよくある質問

夫がストレスで不眠のようなのですが、どうしたらいいでしょうか?
ストレスの要因を取り除くことが大切です。
人によってストレスはさまざまですので何のストレスが原因なのかを知ることが必要です。
カウンセリングなどを受けてみるのも一つです。
ストレスで病気になる方の割合はどのくらいでしょうか?
ストレスの耐性は人によって違いますので一概にはいえません。
耐性を超えて長くストレス状態いると身体症状に発展することが多いので過度のストレス状態にある場合はストレスの要因を取り除くか気分転換などでストレス状態を軽減することが必要です。
子供でもストレスで病気になるのでしょうか?
子供であっても過度のストレス状態が続くと身体症状が出る可能はあります。 身体症状はさまざまですが、ストレス状況を把握して取り除くもしくは軽減することが大切です。

品川メンタルクリニックはうつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」や薬を使わない新たなうつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」を行っております。うつ病の状態が悪化する前に、ぜひお気軽にご相談ください。