QEEG検査(定量的脳波検査)

QEEG検査(定量的脳波検査)とは、脳波を可視化する検査です。検査で得られたデータをデータベースと比較することで、統計的な脳の特徴を調べることができます。
こちらではQEEG検査について説明します。

QEEG検査(定量的脳波検査)とは

脳が活動すると脳内に微弱な電気が流れます。その電気活動を電極でとらえ、波形として記録するのが脳波検査(electroencephalography:EEG)です。
QEEG検査(Quantitative EGG)とは、脳波を可視化する検査です。脳波検査で得られたデータをデータベースと比較することで、統計的な脳の特性を調べることができます。
欧米では、ADHDや自閉スペクトラム症などの発達障害、うつ病・不安障害・不眠症・耳鳴りなど、さまざまな精神疾患のバイオマーカーとしての研究が近年増加しています。

当院におけるQEEG検査の位置づけ

当院では、ADHDの特徴とされている「前頭から頭頂にかけての中央部」における《シータ/ベータ比(TBR)》に着目します。ADHDでは同部位のシータ/ベータ比が高いことがあげられており、シータ波が多いことが脳の低覚醒を表しているという説があります。
なお、QEEG検査の結果はあくまでも脳の特徴として捉え、この検査単独で自動的に診断することはありません。

アルファ波

眼を閉じてくつろいでいるときに現れる波形です。脳波の基準となります。

ベータ波

目を開けて何かに集中したり、考えごとをしたりしているときに表れやすい波形です。基準であるアルファ波よりも速い波のため、速波とも呼ばれます。

シータ波

通常は入眠時に現れる波形です。基準であるアルファ波よりも遅い波のため、同じく遅い波形のデルタ波とあわせて徐波とも呼ばれます。子供は覚醒時にも現れますが、成人では覚醒時にはほとんど現れません。

デルタ波

深く眠っているときに現れる波形です。子供は覚醒時にも現れますが、成人では覚醒時にはほとんど現れません。

QEEG検査の適応

当院のQEEG検査は、12歳(中学生)以上の方を対象としています。なお、未成年の方はご家族の方と受診してください。

QEEG検査の注意点

QEEG検査を受ける際には以下の点にご注意ください。

  • この検査の目的は、問診による診断をより確かなものに近づけることにあります。この検査だけで、精神疾患を自動的に診断したり、疾患の有無を証明したりするものではありません。
  • この検査は治療ではありませんので、この検査を受けることで直接病状がよくなることはありません。
  • 頭に専用機器を装着しますので、整髪料はつけずにご来院ください。整髪料がついている場合は、検査を受けることができません。
  • かつら(ウィッグ)・エクステ・ヘアピン・ネット等の頭部装身具は検査前にはずしてください。はずせない場合は、検査を受けられません。
  • 強いパーマがかかっている場合、検査ができないことがあります。
  • まれに計測不良で判定が困難な場合があります。
  • 検査件数の増加に伴い解析に時間がかかるため、検査結果は原則として翌日以降のお渡しになります。

QEEG検査の流れ

QEEG検査は、トレーニングを受けた専門のスタッフが医師の指示を受けて行います。
検査は個室で行いますのでリラックスして受けることができます。
検査全体の所要時間は15~20分程度です。

  1. 機器の装着と検査方法の説明

    機器の装着と検査方法の説明

    頭部に電極(帽子型の専用センサー)を装着します。スタッフが検査方法をご説明いたしますので、検査方法についてご不明な点などがありましたら、気兼ねなくご質問ください。
    機器の装着には5分~10分かかります。

  2. 検査開始

    検査開始

    検査をお受けいただきます。スタッフの指示に従って検査をお受けください。イスに座り、目を閉じずに安静時EEG(何も刺激を与えずにじっとしている状態の脳波)を6分間測定します。痛みなどはありませんのでご安心ください。

  3. 検査終了

    検査終了

    検査終了です。
    待合室でお待ちください。

検査結果

検査結果
  • 検査件数の増加に伴い解析に時間がかかるため、検査結果は原則として翌日以降のお渡しになります。
  • 他の医療機関に通院中の方は、主治医用の検査結果のコピーを無料でご用意可能ですのでお申し出ください。

QEEG検査で使用する機器について

QEEG検査で使用する機器について

電極を付けるためのジェルを使わないドライ電極型脳波計です。
ジェルを使わないので検査後に洗髪の必要はありません。

QEEG検査の料金

QEEG検査 14,490(税込)

※当院は自由診療(健康保険適用外)のため、全額自己負担となります。

この検査は光トポグラフィー検査も同日に行います。QEEG検査を単独で受けることはできません。
何らかの事情で光トポグラフィー検査を受けない場合でも検査料が割り引かれることはありません。
なお、光トポグラフィー検査の結果は、QEEG検査の結果と一緒にお渡しします。

QEEG検査のご予約方法

QEEG検査のご予約はお電話のみで受け付けています。未成年の方は親権者同伴で受診してください。

未成年・保護者の方へ

QEEG検査のよくあるご質問

QEEG検査はすぐに予約できますか?
はい、極力ご希望の日時にご予約を取れるように努めております。
土日祝日を含め、夜19時まで診療を行っております(水曜定休)。
他の医療機関に通院していますが、QEEG検査を受けられますか?
はい、可能です。当院は紹介状がご用意できない方でも検査が可能です。もちろん、紹介状をお持ちでしたら受診の際にご持参ください。
QEEG検査は誰でも受けられますか?
当院のQEEG検査は、12歳(中学生)以上の方を対象としています。なお、未成年の方は親権者同伴で受診してください。
QEEG検査を受けるにあたり、生活の制限などはありますか?
食事制限はありませんが、酔った状態や眠気が強い場合は正しい検査結果が得られませんので、前日は飲酒を控え、十分に睡眠をとるようにしてください。検査中に眠ってしまうと、結果が変わってしまいますのでご注意ください。
QEEG検査に副作用や危険性はありますか?
QEEG検査は、検査自体は一般でも行われている脳波検査そのものです。特記すべき副作用や危険性はありません。安全性は広く認められています。
QEEG検査で病気は治りますか?
QEEG検査は治療ではありませんので、病気を治す効果はありません。検査結果によって、より有用な治療法を見つけられる可能性があります。
QEEG検査は健康保険が使えますか?
当院は自由診療ですので、当院のQEEG検査は健康保険適用外になります。

参考文献

  • 市川忠彦(2006)『新版 脳波の旅への誘い:楽しく学べるわかりやすい脳波入門』, 第2版, 星和書店

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