70代以上におけるストレスやうつ病について~周りの人に頼ることが大切です~

70代以上におけるストレスやうつ病について~周りの人に頼ることが大切です!~
70代以上におけるストレスやうつ病について~周りの人に頼ることが大切です!~

70代になると、退職によって社会的地位を失ってしまったり、経済的な問題が大きくなったり、配偶者が病気で亡くなったりといった、ストレスになる要因がさまざま起きてしまいます。
それまで仕事一筋で生きてきたような人であれば、退職によって人付き合いがなくなってしまうことが少なくありません。
さらに自身の心身の衰えも顕著になることから、外出する機会がどんどん少なくなって、引き篭もってしまう人が多くなります。
自宅から外出することがなくなってしまうことによって、さらに身体機能が低下してしまい、介護が必要になってしまうこともあります。
そのような心身の衰えに苦痛を感じて、うつ病を引き起こす人が多くなるのも70代の特徴であると言えるでしょう。
70代以上の親を持つ家族においても、このような心身の状態の変化を理解しておかねばなりません。

70代以上の男性・女性に多いライフイベントから起こりうるストレス

70代を過ぎてくると、筋肉の衰えや病気などで自由に体が動かなくなることで、日常生活にも支障がでてくるため、ストレスを感じやすくなります。
70代以降も充実して長生きするために、ぜひご家族もご一緒にライフスタイルを見直してみましょう。

70代以上の男性に多いストレスとは

  • 限られた収入や貯蓄で家計が苦しい
  • 体調を崩したり、病気になったりすることが多くなった
  • 生活の中で生きがいが感じられない

70代の男性の多くは、定年を迎えて退職してからも嘱託社員として雇用されることもありますが、70代になって契約が切れてしまうことが多いでしょう。
まだ仕事がしたいと思っていても雇用してもらえるところがなく、限られた収入や貯蓄の中で生活し続けていくことは苦しく、不安になってしまいます。
またそれまで元気に生活していた人も、70代を迎えて体調に変化が見られるようになります。
病気になることが多くなり、体調がすっきりしないのに眠れなくなったり、食欲がなくなったりしてしまうようなことがみられることもあります。
そのような心身の衰えにストレスを感じてしまうのです。
またこれまで仕事以外に社会との関りを持たなかった人においては、人付き合いがとても少なくなります。
また、人付き合いのあった人でも、体力が徐々に衰えていくため、わざわざ外出して人に会いに行くこと自体を億劫と感じてしまうようです。
そのため生活の中で生きがいを感じるような場面がなくなってしまい、生きていく価値が感じられなくなってしまう人も多く見られるようになります。

70代の女性に多いストレスとは

  • 心身の衰えによって老いを感じることが多くなった
  • 家族との人間関係がうまくいかない
  • 配偶者やパートナーの病気や介護

70代を過ぎた女性においては、心身の衰えを顕著に感じるようになり、その衰えによって自身の老いと向き合うきっかけになることが多くなります。
それまで元気に過ごしてきた女性であっても、病気などを経験することによって、不安や寂しさがとても強くなってしまうのです。
ただそのような状況を家族や配偶者が理解してくれない場合には、常にイライラして不満を感じてしまい、人間関係がうまくいかないことも多くなります。
また配偶者やパートナーが病気になってしまうことも少なくありません。
元気に過ごしてきた夫が、突然重い病気に罹ってしまった場合には、自身にとってもショックが大きくストレスになってしまいます。
介護が必要となることもあり、介護負担がさらにストレスとなって重くのしかかってくることになります。

70代のストレス予防対策や解消法

70代のストレス予防対策や解消法
70代のストレス予防対策や解消法
  • 悩みを抱え込まないようにして身近な人に相談する
  • 外出する機会を持つようにする
  • 一人でも生きがいを感じられるものを見つける
  • 地域など社会との繋がりを大切にする
  • 困ったことは医療や福祉、役所などに相談してみる

70代になるとそれまでのように、一人で抱えて生活するのではなく、身近な家族や知人、地域、医療、福祉、行政などと関りながら生きていくことが大事です。
どうしても心身の衰えを感じるようになります。
そのため衰えからくる不安を解消するためには、誰かに助けてもらいながらうまく生活していくことが必要になるのです。
また一人でも楽しく生活できるように、外出する機会を持つことや楽しみ、生きがいを感じられるような趣味などに取り組むことも必要です。
また地域の自治会などの活動に参加するなど、交友を広げてみるのも一つです。
体のことに不安があれば医療に相談するようにし、暮らしの中で不安を感じるような場面には福祉や行政などに相談するようにしましょう。
それでも気になる症状が続いているという人であれば、うつ病のセルフチェックを試してみましょう。

70代のうつ病セルフチェック

70代のうつ病セルフチェック
70代のうつ病セルフチェック

70代以上になると心身の衰えが顕著となり、また家族が病気になったり介護が必要となったりする場面も多くなることから、ストレスを感じる機会がとても多くなります。
年齢的に認知症ではないかと疑うこともあるでしょう。

下記のような症状はありませんか?

  • 体調がとても悪いが、検査をしても異常がない
  • 妄想することが多くなった
  • 無口になり、ぼーっとしている
  • 認知症ではないかと感じる
  • 物事への興味が全くなくなった
  • 早く死にたいと思うようになる
  • 今までできた習慣もできなくなってきた

70代以上ではじめてうつ病を発症させてしまうというケースは少なくありません。
「自分はうつ病にはならない」という人こそ注意が必要です。ストレスがきっかけとなってうつ病を発症することは、誰にでも可能性のあるものなのです。
うつ病といっても、人によって症状は異なります。
不安、抑うつ症状、イライラなどといった精神症状だけではなく、不眠や頭痛、便秘などといった身体症状に現れることも多くなります。
気になる症状がいくつも続いている場合においては、すでにうつ病を発症させている可能性もあります。できるだけ早く適切な治療に取り組むことが必要です。
うつ病は決して気の持ちようで良くなるものではありません。
脳の働きが弱まってしまう病気ですので、必ず改善させるための治療が必要であるという理解が必要なのです。
うつ病を引き起こす原因の一つが「ストレス」です。
ストレスが脳の神経伝達物質の働きを弱めてしまい、うつ病を引き起こしてしまうのです。
決して安易に考えず、軽い症状のうちに治療に取り組んでおけば、早く改善させることもできます。
まずは、世界保健機構(WHO)がつくった国際疾病分類(ICD-10)によるうつ病の診断基準の30秒でできる「うつ病のセルフチェック」がありますので、気になる方はこちらもぜひチェックしてみてください。

また、高齢者のうつ病の場合、妄想や不安・緊張も現れます。
うつ病のセルフチェックで気になる症状がみられるのであれば、速やかに心療内科や精神科に受診することが適切です。

ストレスやうつ症状について
ぜひご相談ください!

70代以上に多いうつ病の傾向

70代以上に多いうつ病の傾向
70代以上に多いうつ病の傾向

70代以上でのうつ病の傾向をみていると、「やる気が起きない」「ぼーっとしてばかりいる」「元気がでない」「落ち込んでしまう」といった症状が多く見られます。
決して自身の甘えではありませんので、適切な治療が必要となります。
うつ病の場合、話しかけても反応が乏しいことも珍しくありません。
65歳以上の老年期のうつ病を「老年性うつ(高齢者うつ)」と呼ばれています。
気になる症状を周りの家族などが気付いた場合には、本人が適切な治療を受けられるように支援することも必要となるでしょう。

またこのような症状は、認知症の初期症状である可能性もあります。
認知症と見分けることはとても難しいので安易に自己判断しないことが大事です。
うつ病においては、抑うつ症状が強くなることによって「自分は価値がない」「生きていても仕方がない」といった悲観や自責の念が強くなります。
しかし認知症においては、意欲の低下は強いものの、そのように悲観することや思い詰めるようなことはほとんど見られません。
決定的な違いは、「もの忘れ」にあります。
うつ病においても「もの忘れ」は見られますが、忘れたことを自覚していることによって不安感が強くなってしまう傾向があります。
認知症においては忘れたことを自覚することなく、行為全体を丸ごと忘れてしまうといった特徴があります。
ただし、うつ病と認知症は似ている症状がたくさんあります。また、うつ病と認知症は併発している可能性もあります。
「何かおかしい」と家族など周りの人が気付いたのであれば、早めに心療内科や精神科を受診して適切な治療を開始することをお勧めします。

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70代以上のうつ病治療で大事なことは

  • 決して無理せず自分のペースで生活できるように工夫する
  • 生活環境に配慮して日常的にくつろげるようにする
  • 服薬や通院ができるような支援に頼る

70代以上でうつ病を発症した場合には、自分のペースで生活できるように生活環境を整え、本人が治療に取り組めるように支援することが必要となります。
70代以上のうつ病の原因には、環境が要因となっている場合があります。
無理することなく自分のペースで生活できるように工夫することが必要です。特にうつ病になる性格として、生真面目で責任感が強い傾向があります。
家族が心配して同居している場合においても、本人が無理して家事を手伝おうとするようなことがあるかもしれません。もちろん休んでばかりも体にはよくありませんが、自分のペースで過ごせるような工夫が大事です。
うつ病の治療は、薬物治療や精神療法、磁気刺激治療(TMS)などがあります。
まずしっかりと治療に取り組むことができるように、主治医の指示のもとに通院できるようにしなければなりません。
ただ自身だけでは難しいこともありますから、家族が支援したり、介護サービスを利用したりするようなことも検討するといいでしょう。
また家族が「頑張れ」と励ますことは、本人にとって負担となってしまいます。通院に付き添うなどして、一緒に治療に取り組む姿勢を持っておけば、本人も安心できるでしょう。

ストレスやうつ症状について
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品川メンタルクリニックは身体に負担をかけない治療に取り組んでいます

品川メンタルクリニックでは、新しいうつ病の新しい治療法「磁気刺激治療(TMS)」に取り組んでいます。
70代以上の方への治療はもちろんのこと、未成年(12歳以上の中学生から)や妊産婦などへの提供も可能である安全な治療法です。
副作用もほとんどありませんので安心して治療に取り組めます。
品川メンタルクリニックなら、夜7時まで診療が可能です。
しかも土日祝日でも同じ時間で診療可能ですから、ご自身のペースにあわせた通院が可能です。

新しいうつ病治療
「磁気刺激治療(TMS)」について

品川メンタルクリニックでは、うつ病の新しい治療法「磁気刺激治療(TMS)」に取り組んでいます。
「磁気刺激治療(TMS)」とは、脳内に直接電気刺激を与え、弱まっている脳の働きを活性化させることができる治療法です。
磁気刺激治療(TMS)の改善効果は、薬物治療よりもかなり早く、一週間程度で効果を実感できる人も少なくありません。
一般的な心療内科や精神科では、薬物を活用してうつ病治療に取り組むことになります。
しかし薬剤の調整は難しく、効果がなかなか現れなかったり、副作用が現れてしまうことによって服薬を自己判断でやめてしまったりすることがあります。
すでに薬物治療をはじめていてなかなか効果が現れないという方であれば、ぜひご相談ください。セカンドオピニオンが可能ですし、薬物治療と並行して治療に取り組むこともできます。

短期間の治療が可能です!
薬に頼らない新たなうつ病治療があります!

うつ病の診断サポート
「光トポグラフィー検査」

品川メンタルクリニックでは、うつ病の診断サポートとして「光トポグラフィー検査」を導入しています。
「光トポグラフィー検査」とは、脳の状態をデータ化することによって、うつ病の診断のサポートとできる検査方法です。うつ病の診断はとても難しく、70代以上の場合、認知症と誤診してまうことも少なくありません。
光トポグラフィー検査を活用すれば、医師の問診とあわせて本当にうつ病なのかどうか診断することが可能です。
一般的な心療内科や精神科のメンタルクリニックでは、主治医の問診によってうつ病の診断を行っていますが、誤診によって適切な薬剤が処方されていないこともあります。 誤診によって処方された薬では、うつ病に対する効果はありません。
現在、他の心療内科や精神科のメンタルクリニックで治療に取り組んでいて、なかなか効果が現れないという方については、ぜひ的確なうつ病診断を行っている当院までご相談ください。

状態を的確に知ることが大切です!
うつ病かどうかをグラフデータで診断サポート!

70代が通いやすい品川メンタルクリニック

品川メンタルクリニックでは、70代以上の方でも安心して通院治療ができるように、さまざまなサポートを提供しております。

1.夜7時まで診療
2.土日祝日も診療
3.最寄り駅から徒歩5分圏内
4.商業ビル内なので人目が気にならない

また、心身への苦痛を感じやすい年代ですので、出来る限り身体への負担なく治療が進められるよう、お一人おひとりのライフスタイルやご状態を考慮しながら行っています。
ご家族に付き添っていただき通院している方も多くいらっしゃいますので、ご安心ください。

ストレスやうつ症状について
ぜひご相談ください!

渡邊 真也

監修

渡邊 真也(わたなべ しんや)

2008年大分大学医学部卒業。現在、品川メンタルクリニック院長。精神保健指定医。

品川メンタルクリニックはうつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」や薬を使わない新たなうつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」を行っております。
うつ病の状態が悪化する前に、ぜひお気軽にご相談ください。

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