「適度な運動」「適切な食生活」「禁煙」をすることでストレスやうつ病を軽減できる!
超高齢化社会となり、世の中では「健康寿命を延ばすこと」が注目されるようになりました。簡単にいうと「病気を予防し、最期まで元気に生きていこう」という呼びかけですが、いつ何が原因で発症するかわかないさまざまな病気に対し、ただ予防といわれても健康なうちはなかなかピンとこないものです。ここでは心の健康に焦点をあて、心とカラダを健康に保つ暮らしのコツをお伝えします。
うつ病やストレスを軽減する健やかな生活習慣とは
ストレス過多といわれる現代では、毎年約3万人もの方が自殺により命を落としています。自殺原因のひとつとして精神疾患があり、精神疾患で医療機関を受診する患者数は、いまや糖尿病、がん、脳卒中、心筋梗塞を上回り、国民病とまでいわれるようになりました。
心の健康がくずれたとき、「周囲に迷惑をかけたくない」と考える人は多いでしょう。しかし、本当に大変なのはご自身です。あなた自身が楽しく、豊かな生活を送るために、健康的な暮らし方を今から少しずつ習慣にしていきましょう。
注目するのは「運動」「食事」「禁煙」の3つ。心とカラダはつながっています。カラダが元気でいられないと心も疲れやすく、反対に心が疲れているとカラダも病気になりやすくなります。毎日忙しい生活を送っているからこそ、いざというとき踏ん張りのきく心とカラダのメンテナンスを習慣化していきましょう。
「運動」「食事」「禁煙」の生活習慣の見直し方
忙しいとつい後回しになる生活環境の改善。人のカラダと心の健康に生活環境は大きく関わります。無意識に行っている悪い習慣の改善し、生活環境を整えていくことが、うつ病やストレスを軽減にもつながっていくのです。
運動
運動不足は健康に悪いといわれますが、それは運動不足になると、
- 筋力が弱って姿勢が悪くなる
- 疲れやすくなる
- 不眠症になりやすい
などの傾向が見られるためです。
脳を含めた全身の血流が悪くなることで慢性的な疲労感が溜まり、ネガティブな気分が増したり、正常な判断ができなくなるリスクが高まります。
一方で、適度な運動を生活に取り入れると、
- 脳が活性化される(脳内の幸せホルモン「セロトニン」が増える)
- 気分転換ができる
- 満足感や達成感が得られる
などの傾向が見られ、明るく前向きな気持ちになりやすいことがわかっています。激しい運動を行う必要はなく、以下のような「カラダを動かす意識」を暮らしの中に取り入れていくことが大切です。
- ・1日20~30分の有酸素運動を習慣にする
- ジョギングや水泳、サイクリング、ウォーキングなどが有酸素運動にあたります。心地よい疲労感が睡眠の質も高めてくれます。
- ・インターバル速歩でセロトニン分泌を促す
- 通勤や散歩のときは、「3分速歩、3分普通歩行」を繰り返すインターバル速歩がおすすめ。一定のリズムでカラダを動かすと、心の安定をもたらす脳内伝達物質セロトニンの分泌が高まります。
- ・間違ったエネルギーを運動で発散
- 人は思い悩んでいるとき、「誰にも相談できない」と無意識にバリアを張っています。バリアを張るために使っている巨大なエネルギーは鬱々とした気分を増幅させてしまいますが、運動で発散させることができます。気分がリフレッシュすると、周囲に素直な気持ちで助けを求めることもできるようになります。
食事
近年では、ストレスをコントロールしている脳の部位「視床下部」が、食欲をコントロールしている部位でもあることから、うつ病と食事の関係が注目されています。「バランスのよい食事」がカラダの健康だけでなく、気持ちを和らげる上でも重要だと考えられているのです。
バランスの良い食事とは |
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主食、主菜、副菜、汁物を組み合わせた和食中心の食事を心がけると、自然と栄養バランスが整いやすくなります。おかずを選ぶときは、以下の3点に注意しましょう。
注意したい点は、和食は乳製品が少なくミネラルが不足しがち。ヨーグルト、チーズなどを朝食やおやつに取り入れるとよりバランスのよう栄養を摂取できます。最近疲れていると感じる方は、以下のような栄養素も積極的に摂るよう心がけましょう。 |
ストレス軽減の栄養素 |
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禁煙
たばこの煙には、ニコチンやタールなどたくさんの有害物質が含まれています。この物質がDNAに傷をつけたり、細胞に炎症を起こしたり、活性酸素を生じさせたりとカラダにさまざまな悪影響を及ぼし、病気のリスクを高めます。「がん」「虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)」「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」は喫煙関連三大疾患と呼ばれ、たばこは肺だけでなく全身の健康を害す恐れがあるのです。
禁煙の方法は3つ。
- 自力で禁煙する
- 薬局などで買える市販の禁煙補助薬を使う
- 医療機関で医師の指導のもと、禁煙治療を受ける
しかし、いざ禁煙に取り組もうと思ったとき、やっかいなのがニコチンの依存性です。いつも挫折してしまったという方は、医療機関で禁煙治療を受けることをおすすめします。禁煙は、喫煙歴が長かったとしても「禁煙しよう」と思ったときがはじめ時。たばこをやめて24時間以内に心臓発作のリスクが減り、1年後に肺機能の改善がみられ、5年後以降には肺がんの危険性も低下しはじめるといわれています。
また、たばこをやめることでカラダが軽くなって運動しやすくなった、食事がおいしくなったと感じる方も多く、禁煙は結果的に心を元気にさせる生活習慣につながる可能性が高まるともいえるでしょう。ぜひご自身の心とカラダの健康を守る生活をはじめてください。
品川メンタルクリニックはスマート・ライフ・プロジェクトに参加しています
品川メンタルクリニックでは、日常生活において心掛けることでストレスやうつ病を改善できる「適度な運動」「適切な食生活」「禁煙」を推奨しています。
そこで、「健康寿命をのばしましょう」をスローガンに、国民全体が人生の最後まで元気に健康で楽しく毎日が送れることを目標とした厚生労働省主催の「スマート・ライフ・プロジェクト」に参加しています。
「スマート・ライフ・プロジェクト」
品川メンタルクリニックでは、一つの具体的な目標として毎日のウォーキングを掲げています。
- 男性 9,000歩/日
- 女性 8,000歩/日
有酸素運動は、ストレス解消はもちろん、生活習慣病の予防にもつながります。
いつもより10分多く歩くだけでも違いますので、ぜひ心がけてみましょう。
また、多くの方がストレスを解消し、健康的な充実した生活を送っていただくために、品川メンタルクリニックは、今後も日常生活で誰でも取り入れやすい情報をコラムやSNS等で発信していきます。
さらに「スマート・ライフ・プロジェクト」主催のイベントにも参加し、皆さんが精神的に健やかに過ごせるよう啓蒙していきます。
【参考サイト】
Medical Note 【医師監修】うつと食事が関係?うつ病の症状と関係する栄養素
品川メンタルクリニックでは、うつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」や薬を使わない新たなうつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」を行っております。
うつ病の状態が悪化する前に、ぜひお気軽にご相談ください。