うつ病治療は転院してもいい~自分に合う心療内科に転院する利点~

うつ病治療の病院は変えてもいい~自分に合う病院を探す利点~

うつ病治療は、先の見えない、長く暗いトンネルのように感じるものです。
そんな中、日々の心の重みが少しずつでも軽くなるなど、確かな回復の兆しを実感できれば、それはとてもうれしいことです。
しかし、誰もがそんな経過を体験できるわけではありません。
長引く治療の末に、何の成果も感じられないまま、ただただ薬の影響だけが身体に残ってしまう──そのようなとき、このまま治療を続けてもいいのだろうか、と不安になることもあるかもしれません。
そんなときは「セカンドオピニオン」を考えてみるのもよいでしょう。

現在の治療に満足していますか?

うつ病に限らず、通院自体が億劫になったり、治療の効果に疑問を抱いたりすることがあります。だからといって、治療や医師を非難したり、病院を変えたりすることは短絡的に過ぎると感じるかもしれません。
実際、病気で心身ともに弱っているときに正しい判断ができるとは限りません。
しかし治療への疑問などをそのままに、だらだらと治療を続けることが正しいともいえないものです。

うつ病の治療がストレスになっては意味がない

うつ病が発症する原因はまだ解明されていない部分も多いですが、その人自身の性質や生活環境、日常生活上のストレスなどが、複雑に絡み合って脳に変化をもたらすことで引き起こされると考えられています。
ストレスが要因である以上、病院に通うことや治療自体がストレスを増やすようでは本末転倒です。
せっかく治療に通っているのに、通院自体がストレスで病気が悪化してしまう……それでは意味がないどころかマイナスでしかありません。

病院に通うストレスは小さくありません

「通いやすい時間が診療時間外のため、仕事を休んで通院しなくてはいけない」
「通院先が総合病院なので、待合室でたくさんの人の目にさらされてしまう」
健康な人からすれば「休めばよいのでは」「気にしなければよいのでは」「わがままなのでは」と思ってしまいそうなことですが、うつ病に苦しんでいる当事者にとっては、そう簡単な話ではありません。
健康な人には些細に感じることが、大きなストレスにつながってしまうのがうつ病なのです。

医師との相性がストレスになることも?

うつ状態を診断するためには、個人的なことも話す必要がありますから、医師や病院との信頼関係も重要になってきます。人によって、話しやすい、話しづらいなどの相性の差はどうしても生まれてしまいます。
自分に合った医師や心理士に担当してもらえることも病院選びのポイントになるでしょう。

薬に対する不安感も大きなストレスです

抗うつ薬には、口が渇く、ムカムカする、吐き気がする、便秘、眠気、排尿障害、ふらつき、めまい、不眠、性機能障害、体重増加など様々な副作用があります。 また、うつ病の薬というのは誰にでも一様に効くというものでもなく、その効力も個人差があります。
治療の経過次第では、増量や他の抗うつ薬との併用など、処方が変わることも珍しくありません。

出口の見えない治療が辛い

経済的な負担も手伝って、少し良くなったと感じた時に抗うつ薬の服用を自己判断でやめてしまうというケースがあります。その結果、離脱症状(禁断症状)に苦しむことになり、慌てて服用を再開する──そういうことを繰り返してしまうこともあります。
服用する→元気になる→自己判断でもう大丈夫と中断する→離脱症状に苦しむ→服用する、という悪循環です。
患者さんすべてが、スムーズに治療が進めばよいのですが、このようにうまくいかないケースもままあることは否定できません。

うつ病の薬に対する不安感も大きなストレスです

無理して通い続けない、精神科・心療内科の変更も選択肢に

うつ病治療に限らず、どんな治療も患者さんのために行われるものです。
ですから、患者さんが必要以上に無理をしたり、辛い思いをしたりというのは病院も医師も望むところではありません。
病気の種類や治療方法によっては苦痛や危険を伴うものもありますが、だからこそどんな治療があるかを知って、自分自身で納得して、数多くある精神科や心療内科の中から選択していくということは大きな意味があります。

治療の主役は患者さん

言うまでもないことですが、治療の主役は医師ではなく患者さんです。
それがうつ病であっても同じです。
そういう視点に立てば、自分自身にとって最適な治療方法を求めて、医師や病院を選択するということは特別な考え方ではありません。
ご自身に合う適切な治療を選ぶことは、とても大切なことです。
しかし、病気や治療について知識がほとんどない患者さんが、現在受けている、あるいはこれから受ける治療が最適なものかどうかを判断するということは現実的なことではありません。
納得できるまで、主治医に話を聞くのがまず第一です。

セカンドオピニオンも選択肢へ

主治医以外の医師の意見を求めて、他の医療機関を受診することをセカンドオピニオンといいます。通常セカンドオピニオンは、引き続き主治医のもとで治療を続けることを前提に利用するものであり、「セカンドオピニオン=転院」というわけではありません。
ただ、セカンドオピニオンを受けたいと思った理由というのが必ずあるはずなので、その理由とセカンドオピニオンの結果次第では、新たな治療に希望を見出して転院するという可能性はあります。

セカンドオピニオンも受付けています!

精神科・心療内科を変える時に見るべき6つのポイント

主治医が変わらない

精神科・心療内科は継続的に治療することがほとんどです。病気の症状や治療の効果は千差万別で、全く同じ患者さんというのは存在しません。経過を観察しながら必要に応じて薬の処方を変えるなど、病状の経過を治療の中にフィードバックする必要があります。
もちろん、薬を変えたから次の日には激変している、というものでもないので、頻繁に医師に会えば早く良くなるというものではありません。
また、決まった処方箋を出すだけなら、主治医以外での対応でも問題ないという局面もあるかもしれません。
しかし、何か困ったときに相談する医師が毎回違っているようでは、ビフォーアフターが申し送りの内容でしかわからないということになりますから、やはり決まった主治医がいるというのは治療の効率に大きな影響を与えます。

患者さんの考えを聞く姿勢がある

医師に素人が口出しするなといわんばかりの対応をされた、という話を耳にする機会があると思います。
しかし、こと精神科や心療内科においては、患者さん自身が訴える「うつだと思う」「発達障害だと思います」「躁うつ病かも」という言葉は、困っていることに直結しており、重要な情報になります。
限られた時間の中で診察し、最善の治療方針を決めたり、あるいは修正したりするためには、やはり医師と患者さんのコミュニケーションは欠かせません。
一方的に医師の考えを押し付けるのはコミュニケーションとは言えません。

診断名と今後の方針を教えてくれる

自分がどんな状態なのかを知りたいというのは自然な考えです。
自分がどういう状態なのかも判らず、よくわからない横文字の薬を飲み続けている患者さんが、不安を感じて他の病院を訪ねるというのは当然の結果でしょう。
確かに、精神科・心療内科では、病気の本質を見極めるまでに時間がかかる傾向があります。また、経過観察することで情報が蓄積し、途中で診断内容が変わることもあります。
しかし、治療の方針を立てるには、その状態がどういうものなのかを医師が判断する必要があります。当初は明確な診断名がつかなくても、治療をするということはなんらかの判断をしていることは間違いありません。
治療の見通しについて疑問に感じることがあれば医師に聞いてみましょう。

薬の効果・副作用の説明がある

薬を飲むにあたって、気になること、不安なことはいろいろあると思います。

  • どんな症状に対してどんな効果が望めるのか。
  • 副作用はどんなもので、どう対処すればいいのか。
  • 服薬期間はどのくらいなのか。
  • 薬以外の選択肢はどんなものがあるのか。

こういうことを伝えてくれる医師は安心だと思います。
「薬の依存症になるのでは」「副作用が怖い」というような心配事はいろいろあるけれど、いざ医師を前にして質問や相談するのは切り出しにくいと感じるかもしれません。
しかし、医師は毎日のようにそういう質問を受けているのです。
どんどん質問しましょう。

必要な時に家族や上司が説明してくれる

時には学校や職場、家庭において、病状を知っておいてもらうことが治療にとってプラスに働く場合もあります。しかし、周りに上手に説明できる患者さんばかりではないのも事実で、そんな時は医師から伝えてもらうという選択肢もあります。
患者本人が希望する場合は、多くの場合は断る理由はないでしょう。
ただ、説明には準備や時間が必要ですから、事前に医師に伝えておくようにしましょう。急な話の場合、「(今すぐには)できない」と断られてしまう可能性は十分にあります。
もちろん、守秘義務がありますので、患者さんの望まない内容を勝手に漏洩することはありません。

転院(セカンドオピニオン)の紹介状を書いてくれる

前述のとおり、「セカンドオピニオン=転院」ではありませんが、主治医の説明や治療に納得できないときなど、ほかの医師にも話を聞いてみたいという考えは自然なことです。
紹介状を依頼するのはハードルが高いかもしれませんが、必要なら勇気を出して伝えてみましょう。
患者さんのことを考えている先生であれば、セカンドオピニオンの紹介状を書いてくれることでしょう。

品川メンタルクリニックはセカンドオピニオンも受付けています

品川メンタルクリニックは、患者さんが最適な治療を受けるための手助けになりたいと考えております。

品川メンタルクリニックは
患者さん目線を大切にしています

品川メンタルクリニックは、完全予約制で経験豊富な医師が1人1人の患者さんにじっくりと向き合います。
うつ病は、治療のために休職や退職を選択せざるを得ない状況になることがあります。その場合、経済的困窮が患者さんをさらに苦しめることになります。
通院時に周りの目が気になったり、遠方で通院自体が困難に感じたりすることもあります。

品川メンタルクリニックは最寄り駅から徒歩5分圏内の立地で診療しております。
土日祝日も診療を行っており、夜7時までご都合に合わせた通院が可能です。
また、商業ビル内にありますので、人目を気にせず安心して通うことができます。
院内の雰囲気は明るく、なにより気軽に相談できる医師や医療スタッフがいますので、患者さんの精神的な負担が軽くなるように日々の院内改善を継続的に努めております。

抗うつ薬に頼らない治療は品川メンタルクリニックで

品川メンタルクリニックは、抗うつ薬に頼らない治療を行っております。
また、うつ病の診断をより的確にするために、光トポグラフィー検査を行っています。

うつ病の診断を補助する
光トポグラフィー検査

例えば、双極性障害(躁うつ病)は、活動的な躁状態と無気力なうつ状態を繰り返す精神疾患ですが、患者さん本人は躁状態を病気ではなく、むしろ「調子がいい」と思っているくらいです。結果として、うつ状態の時のみ病院にかかることで、診断まで時間がかかることになります。
古くからうつ病は「心の病気」といわれてきましたが、近年の研究成果から「脳の病気」であると判ってきています。
光トポグラフィー検査は、脳の血流の変化量をグラフ化することで、うつ病の診断を補助する検査です。グラフ化することで、問診だけでは見えにくい精神疾患の差異が見えやすくなり、双極性障害(躁うつ病)とうつ病を鑑別しやすくなります。
患者さん自身が客観的なデータを見ることができるなどメリットも多く、ご自身の状態が心配な場合は検査を受けることをお勧めします。

状態を的確に知ることが大切です!
うつ病かどうかをグラフデータで診断サポート!

薬に頼らないうつ病治療
磁気刺激治療(TMS)

「磁気刺激治療(TMS)」とは、薬に頼らない新たなうつ病治療です。
磁気刺激治療では、脳の特定部位(DLPFC:背外側前頭前野)に磁気を当てることで、脳の機能低下を回復させうつ症状を改善します。
磁気刺激治療は入院の必要がないので、仕事や学校帰りに通院することも可能です。
また、ほとんど副作用もありませんので、妊婦や高齢者、未成年者(12歳以上の中学生から)にも適用可能な安全な治療法です。

短期間の治療が可能です!
薬に頼らない新たなうつ病治療があります!

うつ病の治療は、医師だけではなく患者さんの治療への認識や理解も必要です。
現在、抗うつ薬治療の副作用で悩まれている方や抗うつ薬に抵抗がある方、どうしたらよいか分らなくなっている方など、さまざまな思いがあると思います。
しかし、共通していることは「治したい!」という気持ちだと思います。
患者さんの「治したい!」をサポートします。いつでもお気軽にお越しください。

渡邊 真也

監修

渡邊 真也(わたなべ しんや)

2008年大分大学医学部卒業。現在、品川メンタルクリニック院長。精神保健指定医。

品川メンタルクリニックはうつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」や薬を使わない新たなうつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」を行っております。うつ病の状態が悪化する前に、ぜひお気軽にご相談ください。

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