【吉田たかよし先生&渡邊統括院長対談:前編】 見逃してはいけない! 受験ストレス・受験うつ
受験期のストレスフルな状況は、「受験うつ」を招く大きな要因となります。
「受験勉強する気が起きない」
「勉強に集中できない」
それは、「受験ストレス」「受験うつ」によって生じる、重要なサインなのかもしれません。
『見逃してはいけない!「受験ストレス」「受験うつ」』と題し、前編・後編に分けてご紹介します。前編では、受験うつに特化して治療を行っている本郷赤門前クリニックの吉田たかよし先生と品川メンタルクリニックの渡邊真也統括院長の対談を紹介し、後編では、受験うつの具体的なサイン、対処法、効果的な治療法についてお伝えしていきます。
現代っ子の全員が「受験うつ」予備軍とも言えます
子供達にとって、受験は人生で初めての高いハードルであり、そのハードルを越えるのが困難になる人が出てくるのは、現代社会が抱えている必然の結果だといえます。
成熟社会を迎え経済成長が見込めなくなると、就職が安定している医学部や理系を目指す人が増える傾向があり、当然、受験が難関になってきます。
合格した後も医師免許を取るために、受験勉強をコツコツと積み上げていく。
それがストレスの許容範囲を超えてしまって「受験うつ」になる人が出てくるのは、時代の必然だと考えるべきです。
また、環境や対人関係でも、医学部や理系を目指すタイプは、ものごとを適当に対処するのが苦手で、自分を追い込み、うつになり易い傾向があるのです。
しかも、豊かな家庭で育った現代っ子は、脳がストレスに弱くなっています。
そういう点で、最近の受験生は全員が「受験うつ」の予備軍であると思うんです。
確かに、品川メンタルクリニックにいらっしゃる患者様で、医学部受験の方の相談がとても多いですね。
診療をしていて、もちろん受験そのものがストレスになっているんですが、家庭環境も影響している印象を受けます。
受験ストレスを生む環境と受験生を持つご家族のお悩み
カウンセリングの問診票には、受験勉強がストレスと書かれていることが多いですね。
しかしお話を聞いているうちに、お父さんお母さんも、ご自分の親の介護とか、仕事のストレスなど色々抱えていらっしゃる方が多いですね。
やはり家庭環境も受験への影響がありそうです。
そうですね、受験生を日々支える親御さんも、同じようにストレスを抱えるので、子供に対して適切な態度が取れなくなってしまう。
コミュニケーションが空回りしたら、親御さんの真意とは裏腹に、お子さんの不安やプレッシャーが増幅されて症状が悪化します。
そこで、うちのクリニックでは、ご家族ぐるみの相談を大切にしています。
受験ストレスでメンタル面が不安定になると、やる気がおきなくなったり、勉強に集中できず、成績の低下を招いたりしてしまいます。
これらは、広い意味で「受験うつ」と呼ぶべき状態で、早急に専門の対策が必要になります。
でも、受験生本人は、自分ではなかなか気づけないものです。
できるだけ早い時期に、ご家族が、ちょっとした異変に気づいてあげる事が、とても重要になってきます。
ご家族が“SOSのサイン”を見逃さない
受験ストレスの特徴として、眠りが浅く睡眠がうまくとれない、昼夜逆転の人が圧倒的に多いことです。
たとえば、詰め込み型の夜型の勉強だと、定期試験だけなら海馬の短期記憶で乗り切れますが、2週間もすれば忘れてしまいます。
その結果、やがて学力の低下を招き、結局は受験に失敗してしまいます。
また、受験生の患者さんからデータを取り、1年間の心理状態の変化を調べたところ、受験期の1月、2月の他に、特に夏休み明けの9月に受験うつが悪化しやすいことがわかりました。
夏休みに昼夜逆転の生活をしたために、うつ症状に陥りやすいのです。
疾病利得というのですが、学校に行きたくないために、無意識のうちに朝起きられない症状を作り出す……。その結果、昼夜逆転になる方もすごく多いのです。
本人が気づこうと思っても気付けない……。それが疾病利得の怖いところです。
異変に気づいてあげられるのは、やはりご家族しかいないんです。
確かに、クリニックに受験ストレスで相談にこられる方も、秋から冬が多いと思います。
9月の夏休み明けが気をつけなくてはいけないのは頷けます。
受験も控えている大切な時期でもあるし、患者さんにとっては早い対処が必要になりますね。
受験ストレスは「メンタル面の安定」+「脳機能のアップ」の両輪で
抗うつ剤の効果がみられず、長い経過をたどったあげく、私のクリニックにいらっしゃる方が多いのですが、10年前などは、“認知行動療法”などカウンセリングをベースに様々な治療法を試みても、「受験うつ」が寛解するまでには、そこからさらに長い年月が必要だというのが現実でした。
しかし、「磁気刺激治療(TMS)」と出会ってからは、すごく短期間に寛解まで持っていけるようになったんです。これは最新医学の画期的な進歩ですね。
それと、もう一つすごい事は、明らかに入試の問題を解く能力がプラスに作用していて、脳機能のアップにも効果が感じられることです。
中にはうつになる前よりも成績が上がった受験生もいました。
やはり「磁気刺激治療(TMS)」で、ワーキングメモリーが改善していくということは、受験にとってすごく大きなメリットだと思いますね。
先生がおっしゃったように、受験うつが早期に改善したり、成績がうつ発症前よりも良くなったりすることもあるなんて、とても素晴らしいですね。
受験ストレスで、脳機能が低下し、扁桃体のコントロールが不能になると、受験うつが発症してしまいます。
そこで、磁気刺激を脳に与え、脳機能を回復させることで、副作用がほとんどなく、早期に受験うつが改善していくということになります。
合格後の学生生活も考慮すると、早期にうつ状態からの回復が重要になります。
既に、米国やヨーロッパでは磁器刺激でうつ病が改善することが有名になっています。2012年にはNHKスペシャルで、うつ病治療の最前線として、磁気刺激が紹介されています。
短期間の治療が可能です!
薬に頼らない新たなうつ病治療があります!
「磁気刺激治療(TMS)」をもっとたくさんの人に知ってもらいたい
私がこの仕事をしていてすごく嬉しいと思うことは、「磁気刺激治療(TMS)」で早期寛解をすると、苦手だった対人関係や、大学に入った後の、生き方、暮らし方が、明らかに違ってくることです。
それと、困難な状況を親子で乗り切ったからこそ、親子の絆が深いものになっていくんですね。
今後は、「磁気刺激治療(TMS)」をもっと一般の方にも知ってもらいたいですね。
私はプロ野球選手への心理指導にも携わっていますが、スポーツ選手の集中力アップ、普通の受験生の合格率アップなど、より健康に近い人も、「磁気刺激治療(TMS)」を受けていただくメリットは大きいと考えています。
『ちょっとストレスで調子が良くないかな?』と感じたら、気軽に受診していただける医療に発展させたいと思います。
少しでも“不調”を感じた時にいつでも相談できる場所でありたい
「受験うつ」は、大人のうつ病の症状と違うこともあり、なかなか本人が気付かない場合も多いのです。
少しでも不調を感じたら、症状が悪化しないうちに専門家への相談が大切です。
品川メンタルクリニックでは、十分な問診と、人体に悪影響のない近赤外光によって脳血流を測定する、光トポグラフ検査もうつ病の判定に重要だと考えています。
より的確な診断は、早期発見、早期治療につながります。
状態を的確に知ることが大切です!
うつ病かどうかをグラフデータで診断サポート!
それぞれの患者様にとって、最適な解決方法と、もし適応があれば、磁気刺激治療もご提案させていただきます。
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ストレスやうつ症状について
ぜひご相談ください!
吉田たかよし先生
灘中学校・高等学校、東京大学工学部(量子化学専攻)を卒業後、東京大学大学院(分子細胞生物学専攻)を修了。東京大学新聞研究所(現・大学院情報学環)を修了。
NHKに入局しアナウンサーとして活躍するも退職。北里大学医学部にて医師免許を取得。東京大学大学院医学博士課程修了。
東京理科大学客員教授や神戸大学学術研究員を務める。学習カウンセリング協会・理事長や総務省ICT利活用遠隔医療研究・プロジェクトリーダーとして活躍。
本郷赤門前クリニックは受験生専門の心療内科クリニックとして脳科学と医学の力で志望校合格の完全サポートを行っている。
品川メンタルクリニックはうつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」や薬に頼らない新たなうつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」を行っております。
うつ病の状態が悪化する前に、ぜひお気軽にご相談ください。