うつ病の人がとる行動・使う言葉・顔の表情

うつ病は精神疾患であり、身体疾患やけがのように一目で悪い場所がわかるものではありません。
しかし、よく観察してみると、言動や表情に、うつ病の特徴があらわれていることも少なくありません。
具体的には「笑わなくなった」「口数が減った」「遅刻や欠勤が多い」「ミスが増えた」「紛失や忘れ物が増える」などがあげられます。
これらの各種のサインに注意することで、うつ病の早期発見・早期治療につながる可能性があります。

この記事では、うつ病の人がとりがちな行動、使いがちな言葉、顔の表情の特徴について解説します。

うつ病の人がとる行動の特徴

うつ病患者に見られがちな特徴的な行動があります。
例えば、以下のような行動です。

職場でみられる行動

・遅刻や欠勤が増えた
学校や会社に遅刻したり欠勤したりするようになります。
・仕事のミスが増え、パフォーマンスが低下する
仕事でミスが増えたり、仕事の処理が滞ったりなど、目に見えてパフォーマンスが低下します。
・出社拒否がみられる
会社に行くことを拒むようになります。特に会社の仕事や人間関係などに、ストレスとなる原因がある場合によくみられます。

家庭でみられる行動

・会話がなくなる
口数が減り、自ら会話をしなくなる傾向があります。無理に会話をさせようとするのは逆効果ですので、そっと様子をみましょう。
・習慣が変化する
例えば、新聞やテレビを見なくなったり、人との接触を避けるようになったりなど、いままで日常的に行っていたことをしなくなる傾向がみられます。

うつ病の人が使う「4つの言葉」とは?

・「不幸だ」「絶望的だ」
自分は不幸である、絶望的だ、おしまいだなどのネガティブな感情表現が、うつ傾向の人には多く見受けられます。これは落ち込んだ気分のせいで、そういった気分が言葉に現れています。うつ症状のなかで最もわかりやすい言葉の1つです。
・「絶対」
うつ状態の人は、「白か黒か」や「0か100か」という概念にとらわれがちで、柔軟に対応できなくなります。
・「~しなければいけない」
ある種の強迫概念にとらわれて、妥協や手抜きが許せません。
理想と現実とのギャップにうまく対応できず、自分にも他人にも融通をきかせることが難しくなります。
厳しい評価や厳しい言葉がよくみられ、思い通りにいかないことに苛立ち自身を責めたりすることも特徴的です。
・「僕は」「私が」「自分からすると」
一人称単数形を多用します。これは周囲への関心・興味が薄れ、コミュニケーションに問題を抱えている状態です。興味・関心が自己に向き、他人への興味が薄れているという、うつ病の大きな特徴ともいえます。

うつ病の人の顔の表情の特徴

うつ病になると、言葉や行動以外にも顔の表情にも変化がみられます。
うつ病を発症している人に見られがちな顔の表情としては、例えば次のようなものがあげられます。

  • 無表情
  • ぼんやりしている
  • 作り笑いしているように見える
  • 悲しげで泣き出しそう
  • 元気がない
  • 顔色が悪い
うつ病の人の顔の表情の特徴
うつ病の人の顔の表情の特徴

うつ病では、睡眠障害や食欲の低下などから体調不良が続き、顔の表情にそれらが現れることがあります。 このような顔の表情の変化がいつも見られるようになった場合は、注意が必要です。身近な人の顔の表情の変化に気づいた時は、そっと声をかけて気にかけてあげることも大切です。

必ずしもうつ病とは限らないが注意が必要

「4つの言葉」は、うつ病ではない人も使う言葉です。
しかし、気分の落ち込み、趣味など好きなことが楽しめない、寝つきが悪いなど、日常生活にも支障が出ている場合は、うつ病を発症している可能性があります。

うつ病は早期発見が早期回復につながります。
うつ病の恐れがある場合や、心配がある場合は、精神科・心療内科でご相談ください。

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うつ病の治療は、治療方法の選択も重要です。
ご自身に合った治療方法で、一日も早い回復を目指していきましょう。

渡邊 真也

監修

渡邊 真也(わたなべ しんや)

2008年大分大学医学部卒業。現在、品川メンタルクリニック院長。精神保健指定医。

品川メンタルクリニックはうつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」や薬を使わない新たなうつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」を行っております。
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