パキシル
(パロキセチン)
パキシル(英語:Paxil)の
主な特徴
“抗不安作用を併せもつ、
比較的強力、中断症状群に注意”
※南江堂「今日の治療薬2018年」参照
SSRIの中では比較的、薬の切れ味はよいです。
その代り、中断症状群が生じやすく、薬がなかなか止めづらい特徴があります。
パキシルについて、薬の効果や副作用、服用時の注意点など、詳しく説明しています。
パキシルはどんな薬?
パキシルの効果と副作用
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)に分類され、有効成分はパロキセチンです。うつ病、うつ状態、強迫性障害、パニック障害、社会不安障害、外傷後ストレス障害などに効果がある薬です。
この薬は、即効性を期待する薬ではないので、飲みはじめはすぐに効果は現れません。
作用機序は、毎日飲み続けると、脳内に作用し、脳内の神経伝達物質をつかさどるセロトニンの働きを増強させ、脳内の神経伝達をスムーズにし、抑うつ気分や不安・緊張を和らげます。
他にもパキシルは、やる気が出ない(無気力・意欲の低下)・悲観的になる・憂鬱・眠れない・集中できないなどといった気分が晴れずに落ち込む症状を改善し、気持ちが前向きになることを助けます。
ノルアドレナリンの効果もわずかながらあり、薬が少量でも血中濃度が立ち上がりやすく、作用時間が長くなり、切れ味の良さにつながっていて、効果の実感が得られやすい薬です。パキシルの半減期は14時間、最高血中濃度到達時間は4~5時間ですので、1日1回の服用で効果は持続します。
薬の血中濃度は、飲み続けていくことで安定し、およそ半減期の4~5倍の時間で安定するといわれ、3~5日かかります。
また、パキシルは女性特有の生理前の気分の不安定さにも使われることがあります。
月経前緊張症(PMS)、精神的な不安定さが強い月経前気分不快症(PMDD)などの軽度なものから摂食障害などに効果が期待できます。
副作用は他のSSRIの薬に比べて強めで、離脱症状も起きやすく、減薬を試みてもなかなか離脱できないという特徴があります。
また、強い眠気が起こる副作用がありますので、服用後は自転車や自動車の運転は控えましょう。
パキシルの服用について
長期投与・服用については、年齢と症状により1日10mgより開始し、1週間毎に10mg/日増量し、1カ月以上かけて、40mg/日まで増量することが多いです。 海外では60mgまで使うことができるお薬です。日本では40mgまで増量できるので、海外に近い用量で服用できる薬です。
初発症例でも年単位で内服を維持する必要がありますが、パキシルが効いてきて(効果発現)、症状が安定すれば、適宜増減し、終了も可能です。2回、3回と再燃を繰り返すケースでは、さらに長期の内服継続が必要となります。
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<メリット>
・比較的強力とされる
・さまざまな不安障害に適応する
・パキシル錠とパキシルCR錠がある
・パキシル錠は、薬価がリーゾナブルなジェネリック(後発品)のパロキセチンが販売されている -
<デメリット>
・胃腸障害が多い(嘔気等)
・男性では性機能障害が多い
・離脱症状が起きやすい(不眠・めまい・発汗・吐き気・シャンピリ感・ふるえ)
パキシルの基本情報
パキシルの基本情報
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【薬効分類】
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
脳内の神経伝達物質を改善し、不安や気分の落ち込みを改善する薬 -
【有効成分(一般名)】
パロキセチン塩酸塩錠
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【錠剤の形状】
パキシル錠
パキシルCR錠※(薬価という意味では先発品と同等ですが、血中濃度の立ち上がりが緩やかで、初期の副作用が起きにくい)
ジェネリック(後発品)のパロキセチン錠では、5mg・10mg・20mgのOD錠(口腔内崩壊錠)が販売されています。※CR錠とは、腸溶性フィルムコーティングを施した徐放錠です。噛んだり砕いたりせずそのまま服用します。
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【効能・効果】
・うつ病、うつ状態
・パニック障害※
・強迫性障害※
・社会不安障害※
・外傷後ストレス障害※※パキシルCRは適応外
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【主な用法・用量】
パキシル錠 <うつ病、うつ状態>
(1回1~4錠)
1日1回夕食後20~40mg経口投与
1日10~20mgより開始し、1週ごとに10mg/日ずつ増量
1日最大40mgまで<嘔吐・パニック障害>
(1回1~3錠)
1日1回夕食後30mg経口投与
1日10mgより開始し、1週ごとに10mg/日ずつ増量
1日最大30mgまで<強迫性障害>
(1回1~5錠)
1日1回夕食後40mg経口投与
1日20mgより開始し、1週ごとに10mg/日ずつ増量
1日最大50mgまで<社会不安障害>
(1回1~4錠)
1日1回夕食後20mg経口投与
1日10mgより開始し、1週ごとに10mg/日ずつ増量
1日最大40mgまで<外傷後ストレス障害>
(1回1~4錠)
1日1回夕食後20mg経口投与
1日10mgより開始し、1週ごとに10mg/日ずつ増量
1日最大40mgまでパキシルCR錠 1日1回夕食後12.5mgを初期量とし、25mgに増量
増量は1週間以上間隔をあけ、1日12.5mgずつ増量
1日最大50mgまで※飲み忘れた場合は、気がついたときにできるだけ早く1回分を飲んでください。ただし、次の通常飲む時間が近いときは1回とばして、次の通常の服用時間に1回分を飲んでください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
※SSRIは夕食後の服用だけではなく、寝る前に変更することもあります。また、不眠の原因になることがあり、服用が朝食後になる場合もあります。服用時間の変更は医師の指示に必ず従ってください。
※空腹時又は食後に単回経口投与した時の薬物動態学的パラメータに差は認められず、食事の影響はないと考えられます。
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【禁忌・原則禁忌】
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方
ピモジド、MOA,阻害薬投与中あるいは投与中止後2週間以内
(セロトニン症候群と心臓血管系の副作用があらわれる恐れがあります。) -
【警告】
海外で実施した7~18歳の大うつ病性障害患者を対象としたプラセボ対照試験において有効性が確認できなかったとの報告、また、自殺に関するリスクが増加するとの報告もあるので、本剤を18歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討してください。また、7~18歳の大うつ病性障害、強迫性障害、社会不安障害患者を対象とした臨床試験を集計した結果、2%以上かつプラセボ群の2倍以上の頻度で報告された有害事象は以下のとおりです。
本剤投与中: 食欲減退、振戦、発汗、運動過多、敵意、激越、情動不安定(泣き、気分変動、自傷、自殺念慮、自殺企図等)なお、自殺念慮、自殺企図は主に12~18歳の大うつ病性障害患者で、また、敵意(攻撃性、敵対的行為、怒り等)は主に強迫性障害又は12歳未満の患者で観察されました。
本剤減量中又 は中止後:神経過敏、めまい、嘔気、情動不安定(涙ぐむ、気分変動、自殺念慮、自殺企図等)、腹痛 -
【飲み合わせ(併用注意)】
- ・飲み合わせに注意
炭酸リチウム(リーマス等)、L-トリプトファン含有製剤(アミノ酸製剤、経腸成分栄養剤等)、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品(市販含む)、精神安定剤(ピーゼットシー、リスパダール等) - ・セロトニン症候群を引き起こす恐れがある
パーキンソン病の治療に用いられるセレギニン(エフピー)との併用は禁止されています。服用する場合は一定期間の感覚を空ける必要があります。 - ・重度の血圧低下の恐れがある
メトプロロール酒石酸塩 - ・ワルファリン(商品名:ワーファリン)
血栓塞栓症(静脈血栓症、心筋梗塞症、肺塞栓症、脳塞栓症、緩徐に進行する脳血栓症等)の治療及び予防する薬です。併用するとワルファリンの作用を増強する恐れがあります。
- ・飲み合わせに注意
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【主な副作用】
セロトニン症候群※1、悪性症候群※2、精神運動性激越、賦活症候群(アクチベーション・シンドローム)、健忘、錯乱、幻覚、攻撃性、せん妄、痙攣(けいれん)、関節の痛み、抗利尿ホルモン適合分泌症候群※3、重篤な肝障害(肝機能障害)※4、横紋筋融解症※5、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)※6、排尿障害(尿が出にくい)、皮膚粘膜眼症候群、倦怠感、起立性低血圧、傾眠、眩暈(めまい)、立ちくらみ、手足のしびれ、頭痛、味覚異常、あくび、吐き気、血圧上昇、皮下出血、口渇、鼻血、便秘、腹痛、性機能障害、ほてり、疲労感、発汗、寝汗など
※1 不安感・手の震え・焦燥・興奮・錯乱・幻覚・反射亢進・ミオクロヌス・発汗・戦慄・頻脈・振戦等があらわれる。
※2 無動緘黙・強度の筋強剛・嚥下困難・頻脈・血圧の変動・発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる。
※3 痙攣・意識の低下・頭痛(頻度不明、海外での頻度:0.01%未満)
※4 肝臓の重い症状:だるい・食欲不振・吐き気・発熱・発疹・かゆみ・皮膚や白目が黄色くなる・尿が茶褐色。
※5 筋肉痛・脱力感・CK(CPK)上昇・血中及び尿中ミオグロピン上昇があらわれる。
※6 主に高齢者において、低ナトリウム血症、痙攣等があらわれることが報告されています。 -
【薬価・種類】※2018年4月時点
パキシル錠 5mg錠
(規格単位:5mg1錠)47円
(販売開始年月:2010年9月)10mg錠
(規格単位:10mg1錠)82.8円
(販売開始年月:2000年11月)20mg錠
(規格単位:20mg1錠)143.9円
(販売開始年月:2000年11月)パキシルCR 6.25mg錠
(規格単位:6.25mg 1錠)48円
(販売開始年月:2018年12月)12.5mg錠
(規格単位:12.5mg 1錠)83.2円
(販売開始年月:2012年6月)25mg錠
(規格単位:25mg 1錠)144.1円
(販売開始年月:2012年6月)※ジェネリック医薬品あり
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【注意事項】
- ・眠気、めまい等が表れることがあるので、自転車や自動車の運転等は控えましょう。
- ・本剤を投与された婦人が出産した新生児では先天異常のリスクが増加するとの報告があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人では、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合以外には投与しないようにします。
- ・授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせるようにします。
- ・アメリカ食品医薬品局(FDA)薬剤胎児危険度基準によると、本剤は危険性を示す確かな証拠があるとされます。奇形の報告があるため、必ず医師に相談の上、対処していきましょう。
- ・妊娠末期に本剤を投与された婦人が出産した新生児において、呼吸抑制、無呼吸、チアノーゼ、多呼吸、てんかん様発作、振戦、筋緊張低下又は亢進、反射亢進、ぴくつき、易刺激性、持続的な泣き、嗜眠、傾眠、発熱、低体温、哺乳障害、嘔吐、低血糖等の症状があらわれたとの報告があります。
- ・高プロラクチン血症(生理不順・乳房緊満・乳房痛・乳汁分泌など)を起こす可能性もあるので、医師によく相談しましょう。
- ・他の医師を受診する場合や薬局などで他の薬を購入する場合は、必ず本剤を飲んでいることを医師または薬剤師に伝えましょう。
- ・以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。躁うつ病、自殺念慮、脳の器質的障害または統合失調症の素因、衝動性が高い併存障害、緑内障、出血傾向または出血性素因がある。過去に自殺念慮、自殺企図またはてんかんがあった場合などは、医師に必ず伝えてください。
- ・飲酒習慣や併用薬によっては、パキシルの副作用を強くしてしまうことがあります。
- ・本剤は、乳がんのホルモン療法で使われるタモキシフェンの働きを阻害する可能性があります。
- ・18歳未満の大うつ病性障害の方への投与は適応を慎重に検討します。
- ・幼児・小児等に対する安全性は確立していません。また、長期投与による成長への影響については検討されていません。
- ・その他、次のような場合も慎重投与とします。てんかん・自殺企図・自殺念慮・緑内障・出向傾向・躁うつ病など。
- ・基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されています。状態及び病態の変化を、注意深く観察するとともに、症状の増悪が観察された場合は、必ず医師の判断により服薬量を増量せず、徐々に減量するなどの適切な処置を行います。
- ・うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察します。
- ・止血・血液凝固を阻害する薬剤(非ステロイド性抗炎症剤、アスピリン、ワルファリン等)、出血症状の報告のある薬剤(フェノチアジン系抗精神病剤、非定型抗精神病剤、三環系抗うつ剤等)は、出血傾向が増強する恐れがあります。(これらの薬剤を併用することにより作用が増強されることが考えられる)
- ・大うつ病エピソードは、双極性障害の初発症状である可能性があり、抗うつ剤単独で治療した場合、躁転や病相の不安定化を招くことが一般的に知られています。従って、双極性障害を適切に鑑別する必要があります。
- ・汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少(0.46%):汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、血液検査等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行います。
- ・投与中止(特に突然の中止)又は減量により、めまい、知覚障害(錯感覚、電気ショク様感覚、耳鳴等)、睡眠障害(悪夢を含む)、不安、焦燥、興奮、意識障害、嘔気、振戦、錯乱、発汗、頭痛、下痢等があらわれることがあります。症状の多くは投与中止後数日以内にあらわれ、軽症から中等症であり、2週間程で軽快するが、患者によっては重症であったり、また、回復までに2、3ヵ月以上かかる場合もあります。これまでに得られた情報からはこれらの症状は薬物依存によるものではないと考えられています。
- ・減量又は投与中止後に耐えられない症状が発現した場合には、減量又は中止前の用量にて投与を再開し、より緩やかに減量することを検討します。
- ・海外において、パキシル2000mgと他剤との併用による大量投与が報告されています。大量投与後にみられる主な症状は、副作用の他に発熱・不随意筋収縮及び不安等です。特異的な解毒剤は知られていませんので、必要に応じて胃洗浄を行うとともに、活性炭投与等適切な療法を行います。
- ・薬剤交付時は、PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するようにしましょう。
- ・不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されています。
- ・患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、不安増悪、焦燥増悪、興奮増悪、パニック発作増悪、不眠増悪、易刺激性増悪、敵意増悪、攻撃性増悪、衝動性増悪、アカシジア増悪/精神運動不穏増悪、軽躁増悪、躁病増悪等が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行います。
※各製薬会社(薬品メーカー)から医療用医薬品の添付文書が公開されていますので、詳細を知りたい方はこちらをご利用ください。また、薬が処方される際に薬について記載されている説明書を服用する前に必ず読むようにしましょう。
パキシルについてのQ&A
- パキシルが効かないのですが、くすりが合わないのでしょうか?
- 薬を初めは少量から処方し、副作用が出ないことを見定め、必要な人には少しずつ、増やしていく、このように薬を調整していく精神科医師が多いと思います。
一定量のある薬に効き目があるかどうか確かめるために数週間はかかります。合う薬が見つかるまで数ヶ月かかる場合も時々あります。慣れるまでに時間がかかりますが、自己判断で服用はやめたりせずに、必要であれば他剤への切り替えもありますので、必ず主治医に相談しましょう。 - パキシルを服用中、アルコールのお酒は飲めますか?
- 飲酒は避けることが望ましいです。パキシルとの相互作用は認められていませんが、他の抗うつ剤で作用の増強が報告されています。
- パキシルを服用したら、痩せますか?それとも、太りますか?
- 飲み始めの数ヶ月は、胃腸障害の副作用も重なって痩せることが多くみられます。
また、パキシルの服用を一定期間続けると、セロトニンによる代謝抑制により、体重増加の副作用がみられることもあります。太る、太らないをよく気にする方もいますが、食欲が出てきたことで良い方向に向いていることもあります。
ただし、急に過食が発作的に認められる方もいますので、服用前と違う症状が現れたら、早めに医師に相談しましょう。
急激な体重減少・増加があった場合は、主治医に相談してください。 - パキシルを服用するとEDになるってホントですか?
- パキシルは、男性の性欲低下・勃起障害・オーガズム障害がみられることが多いです。
特に性欲・欲望、性的興奮、絶頂といった反応が起こらなくなり、悩まれている方が多いです。ご状態によって、様子を見たり、減薬したり、飲み方を工夫したり、他の薬に変更・追加したりします。 - パキシルは妊娠、授乳に影響がありますか?
- 後遺症が残るたぐいの抗うつ薬ではないので、産婦人科の医師に必ず伝えれば過度に心配することはないでしょう。しかし、一方で先天性異常が増加する報告もありますので、結論ははっきりしていません。妊娠をお考えの場合は控えた方がいいでしょう。まずは、必ず産婦人科の医師と薬の処方を受けた病院やクリニックに伝えましょう。
- パキシルを自己判断でやめてもいいですか?
- パキシルに限らず、抗うつ薬を自己判断での中断や断薬は危険を伴います。
抗うつ薬中断症候群という断薬や服用量の減量時に生じる症状が出る場合があります。
また、決められた用量を服用していたのに体が薬に慣れてしまい、中断や減薬をした際にふらつきやめまいなど、服用前にはなかった症状が出た場合は、常用量依存性(身体依存が形成されいる状態)が考えられます。いずれにしても、自己判断でやめる(中断、減薬、断薬)ことは、危険を伴いますので、必ず専門の医師に相談をしてください。 - パキシルは離脱症状が起きますか?
- パキシルは他の抗うつ薬のなかでも離脱症状が起きやすいといわれます。
パキシルを増量すると血中濃度推移が一気に上がります。逆に減量すると一気に血中濃度推移が低下してしまいます。パキシルは濃度の上がり方に特徴があり独特といわれます。
そのため、長期間服用してから急に減量してしまうと、さまざまな不調を引き起こします。離脱症状といえる具体的な症状としては、しびれ・めまい・だるさ・頭痛・耳鳴り・吐き気やイライラ・ソワソワ感(落ち着かない)・不眠・不安、シャンピリ感などがあげられます。
これらの症状が出てきた場合は、必要に応じて抗不安薬(精神安定剤)など頓服を併用すると緩和する場合もあるので、早めに医師に相談しましょう。 - 薬物療養中は仕事を休まないといけませんか?
- うつ病などの精神疾患は休養も大切ですが、決して休まないといけないというわけでもありません。重症度や副作用などの症状にもよりますが、学校や勤務先が受け入れる環境が整っている場合は、薬物療法を服用しながらも今までの社会生活を維持することを推奨します。休学や休職は経済面にも影響を及ぼす場合もあります。
副作用の症状を緩和する治療方法なども医療の研究の開発で発達していますので、自分自身に合った治療法を選択することも可能です。
品川メンタルクリニックでは、うつ病かどうかが分かる「光トポグラフィー検査」や薬を使わない新たなうつ病治療「磁気刺激治療(TMS)」を行っております。
抗うつ薬でご不安な方は、ぜひお気軽にご相談ください。